「Snapdragon」と「MSM(Mobile Station Modem)」の表記の違いについては、用途と文脈の違いによって使い分けられています。
✅ MSM表記が使われる理由
1. Qualcommの内部型番(SKU)だから
「MSM8937」という表記は、Qualcommが製品を識別するために使っているチップセットの型番です。
いわばSnapdragonファミリー内の製品番号のようなものです。
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MSM8937 → Snapdragon 430
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MSM8953 → Snapdragon 625
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SDM845 → Snapdragon 845(SDMは新しい世代の命名)
つまり、Snapdragonはブランド名、MSMは製品型番と考えるとわかりやすいです。
2. メーカー・キャリア向けの技術資料や仕様書で使われる
端末の詳細仕様や認証情報では、Snapdragonの商用名ではなく、正確なチップ識別のために「MSM」表記が使われます。
たとえば:
これらは開発・認証用途に近いため、「Snapdragon 430」ではなく「MSM8937」と表記されることが多いです。
3. Snapdragonはマーケティング名称
一般消費者向けには「Snapdragon 430」などのブランド名で統一されており、こちらのほうが親しみやすく、製品を選ぶ指標として使われます。
用途 | 表記の違い |
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技術資料 / 開発 / 認証用途 | MSM8937(型番) |
消費者向けマーケティング / 製品パッケージ | Snapdragon 430(ブランド名) |
✅ 補足:SDMという新しい型番
Snapdragon 835以降の世代では、「SDM(Snapdragon Mobile)」という接頭辞に変わり始めました。
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SDM845 → Snapdragon 845
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SM6225 → Snapdragon 685
MSMは主に旧世代(Snapdragon 200〜600台)で使われていた命名です。
✅ まとめ
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「MSM8937」はSnapdragon 430の型番(部品番号)
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Snapdragonはブランド名で、一般消費者向け
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メーカーや通信事業者の仕様書・認証文書ではMSM表記が一般