5G+とは?—5Gの進化形を解説

近年、携帯電話の通信技術は急速に進化しており、特に「5G+」という言葉が注目を集めています。5G+は、従来の5G(第5世代移動通信システム)をさらに強化した技術ですが、具体的に何が違うのでしょうか?この記事では、5G+の概要や特徴、技術的なポイントについて詳しく解説します。


1. 5G+とは?

「5G+」は、単なる5Gの進化版として捉えられがちですが、実際にはいくつかの技術的な要素やサービスを含んでいます。特に、以下の特徴があります。

  • ミリ波(mmWave)を活用した超高速通信

  • 5G SA(Standalone)を利用した低遅延通信

  • 特定キャリアの5G強化サービス

日本をはじめ、多くの国で5G+はミリ波技術を利用した高速通信を提供しており、都市部や駅周辺などで特に顕著な効果を発揮します。通信キャリアによって、5G+のサービス内容やブランド名は異なる場合もあります。


2. 5G+の技術的特徴

(1) ミリ波(mmWave)の活用

5Gは、基本的に「Sub-6」と「ミリ波(mmWave)」の2種類の周波数帯を使用しています。ミリ波は、超高速通信が可能であり、数Gbpsの速度を提供できますが、障害物に弱く、カバー範囲が狭いという特徴があります。

周波数帯 特徴
Sub-6(3.6GHz〜6GHz) 広いエリアでの利用が可能だが、速度は4Gと大差なし
ミリ波(24GHz〜100GHz) 超高速通信(数Gbps)が可能、ただしカバー範囲は狭い

5G+では、特にミリ波の利用が進んでおり、高速通信が求められる都市部や大規模なイベント会場などで活躍します。

(2) 5G SA(Standalone)対応

5Gには「NSA(Non-Standalone)」と「SA(Standalone)」の2つの運用モードがあります。

方式 特徴
NSA(非独立型) 4G LTEの設備と併用し、5Gの導入を段階的に行う
SA(独立型) 5G専用ネットワークで、低遅延・高信頼性の通信を提供

5G+では、特に**SAモード(Standalone)を活用し、低遅延通信を実現しています。これにより、リアルタイムでのデータ処理が重要なアプリケーション(例:自動運転、IoT、遠隔医療など)に対応できるようになります。


3. 5G+のメリット

超高速通信

ミリ波技術を活用することで、数Gbpsの高速通信が実現します。これにより、大容量の動画やデータを瞬時にダウンロードできるようになり、4Kや8Kのストリーミング、オンラインゲームなどがより快適になります。

低遅延

5G+のもう一つの大きな特徴は、低遅延通信です。特にSAモードを利用することで、遅延がわずか1ms程度に抑えられます。これにより、リアルタイムのアプリケーションクラウドゲーミング自動運転車などでの利便性が飛躍的に向上します。

大容量接続

5G+は、従来の4Gよりもはるかに多くのデバイスが同時に接続可能です。これにより、スマートシティ産業用途IoT機器の増加に対応できるようになります。


4. Sub-6エリアでの通信速度

Sub-6帯域は、5Gの中で主に利用される周波数帯域で、特に300Mbps超の下り速度を実現可能です。この速度は、4G LTEの転用周波数に比べて約3倍に達しており、動画のストリーミングや大容量データのダウンロードがスムーズに行えるようになります。

Sub-6帯域は、広いエリアでの利用が可能なため、都市部や郊外でも安定した通信を提供します。特に、住宅地やビジネスエリアでの利用が期待されています。


5. 5G+の課題と今後の展望

エリアの狭さ(ミリ波)

ミリ波は超高速通信が可能ですが、障害物に弱く、カバー範囲が狭いという課題があります。そのため、都市部などの特定エリアで有効ですが、広範囲での利用には基地局の増設が必要です。

対応端末の制限

5G+の最大のメリットを享受するためには、ミリ波対応の端末が必要です。すべてのスマートフォンが対応しているわけではないため、端末購入時に確認が必要です。

🔮 今後の展望

今後、5G+のエリア拡大通信速度の向上が期待されています。特に、6G(第6世代通信)の研究が進んでおり、5G+の技術がその基盤になることが予測されています。また、5G+を活用した新しいサービスやアプリケーションが登場し、私たちの生活をさらに便利にしていくことでしょう。


6. まとめ

5G+は、5Gの進化形であり、ミリ波やSub-6帯域を利用した高速通信や低遅延通信が特徴です。特に、下り300Mbps超の通信速度が可能となり、4K動画のストリーミングやクラウドゲーミングなど、これまで以上に快適な通信環境が提供されます。とはいえ、ミリ波のカバー範囲や対応端末に関する課題もありますが、今後の技術進化により、さらなる普及が期待されます。