パソコンのメモリ規格の歴史

パソコンのメモリ(RAM)は、時代とともに進化し、より高速で効率的になってきました。本記事では、過去から現在までの主要なメモリ規格を紹介します。


1. 初期のメモリ規格

SIMM(Single In-Line Memory Module)

1980年代から1990年代にかけて使われたメモリモジュールです。主に30ピンと72ピンの2種類があり、メモリバスが狭いため、一定の性能制限がありました。

DIMM(Dual In-Line Memory Module)

SIMMの後継として登場したのがDIMMです。SIMMでは片面の接点が共通でしたが、DIMMでは両面が独立しているため、より広いデータ幅を実現できます。


2. SDRAM(Synchronous DRAM)の登場

SDR SDRAM(Single Data Rate SDRAM

1990年代後半に登場し、CPUのクロックと同期して動作するメモリです。主にPC66、PC100、PC133(MHz)があり、最大帯域幅は1GB/s程度でした。

DDR SDRAM(Double Data Rate SDRAM

SDR SDRAMの改良版として、データ転送をクロックの上昇・下降の両方で行うことで、2倍の速度を実現しました。DDR-200(PC1600)、DDR-266(PC2100)などの規格がありました。


3. DDRシリーズの進化

DDR2 SDRAM

DDR SDRAMの後継として登場し、動作電圧を2.5V→1.8Vに下げ、クロック周波数を向上させました。DDR2-400(PC2-3200)~DDR2-1066(PC2-8500)が一般的でした。

DDR3 SDRAM

DDR2よりもさらに低電圧(1.5V)で動作し、消費電力を抑えつつ高性能化しました。DDR3-800(PC3-6400)~DDR3-2133(PC3-17000)などがありました。

DDR4 SDRAM

2014年頃に登場し、1.2Vの低電圧で動作。データ転送速度が大幅に向上し、現在も広く使用されています。DDR4-1600(PC4-12800)~DDR4-3200(PC4-25600)などがあります。

DDR5 SDRAM

最新のDDR5は、さらに低電圧(1.1V)で動作し、転送速度も大幅に向上。最大でDDR5-8400(PC5-67200)まで規格化されています。


4. ノートPCやモバイル向けメモリ

SO-DIMM(Small Outline DIMM)

デスクトップ用のDIMMを小型化したもので、ノートPCや一部の小型デバイスに使用されます。DDR、DDR2、DDR3、DDR4、DDR5のすべての世代でSO-DIMM版があります。

LPDDR(Low Power DDR

モバイル向けに消費電力を抑えたメモリ規格。スマートフォンタブレットに採用されています。

  • LPDDR3:1.2Vで動作し、スマホタブレットに広く採用
  • LPDDR4:1.1Vで動作し、より高速化
  • LPDDR4X:LPDDR4の電圧をさらに0.6Vまで下げ、省電力化
  • LPDDR5:高速化と省電力化を両立(約6.4Gbpsの転送速度)
  • LPDDR5X:LPDDR5の改良版で、最大8.5Gbpsの転送速度を実現

まとめ

メモリ規格は、進化するにつれて

  • 転送速度の向上
  • 消費電力の低減
  • 省スペース化
    が進んできました。

特に、DDR4からDDR5への移行が進み、モバイル分野ではLPDDR5Xなどの高性能メモリが主流になっています。今後も、新しい規格の登場により、さらなる進化が期待されます。