まだまだ使える?それとも引退? 9.7インチiPad Pro(第1世代)徹底解説!

2016年3月に登場した「9.7インチiPad Pro(第1世代)」。当時は、Proモデルの性能とApple Pencil対応を、より手軽なサイズに凝縮した画期的なデバイスとして注目を集めました。しかし、発売から9年以上が経過し、iPadOSも「iPadOS 26」まで進化している今、このモデルは現代の利用においてどのような立ち位置にあるのでしょうか?

今回は、9.7インチiPad Pro(第1世代)の魅力と、現在の利用状況、そして「今、このモデルを選ぶべきか?」という問いに答えるべく、徹底的に解説していきます。手元にこのモデルがある方や、中古での購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください!


 

9.7インチiPad Pro(第1世代)とは? その登場時の魅力

 

9.7インチiPad Proは、「Pro」の名を冠するにふさわしい革新的な機能を、iPad Air 2と同じ馴染み深い9.7インチサイズに詰め込んだモデルでした。

  • パワフルな「A9X」チップ: 当時の最先端チップであるA9Xを搭載し、従来のiPad Airシリーズをはるかに凌ぐ処理性能を実現。グラフィックを多用するアプリやゲーム、4K動画の編集などもこなせました。

  • ProMotionディスプレイの先駆け「True Tone」: iPad Proシリーズの特徴である「ProMotionテクノロジー」(120Hzリフレッシュレート)は搭載していませんでしたが、周囲の環境光に合わせてディスプレイの色温度を自動調整する「True Toneディスプレイ」を初めて採用。目に優しく自然な表示を実現しました。

  • Apple Pencil(第1世代)とSmart Keyboard対応: このモデルからApple Pencil(第1世代)とSmart Keyboardに対応し、イラスト、手書きメモ、書類への注釈、文書作成など、iPadをよりクリエイティブで生産的なツールとして活用できる道が開かれました。

  • 高音質な4スピーカーオーディオ: 上下左右に合計4つのスピーカーを搭載し、どの向きで持ってもバランスの取れたステレオサウンドを楽しめるようになりました。動画視聴や音楽鑑賞の体験を大きく向上させました。

  • 高画質カメラ: 背面には12MPカメラ(4K動画撮影対応)、前面には5MPのFaceTime HDカメラを搭載し、当時のiPadとしてはトップクラスのカメラ性能を誇りました。


 

現在の立ち位置:OS対応状況と性能、そしてその限界

 

発売から9年以上が経過した現在、9.7インチiPad Pro(第1世代)は、最新のiPadOSに対応しておらず、ハードウェアの面でも現代の基準から見ると厳しい状況にあります。

 

1. OS対応状況:iPadOS 16が最終

 

iPadOSは現在「iPadOS 26」まで進化していますが、9.7インチiPad Pro(第1世代)は、iPadOS 16が最終サポートOSです。残念ながら、iPadOS 17以降のバージョンにはアップデートできません。

これにより、以下の重要な影響があります。

  • 最新機能の利用不可: iPadOS 17以降で追加された多数の新機能(例えば、ロック画面のカスタマイズ、ステージマネージャー、強化されたFaceTime、そして最新のiPadOS 26で発表されたApple Intelligence関連機能新しいウィンドウシステムなど)は利用できません。

  • アプリのサポート終了: 今後、新しいiPadOSバージョンが必須となるアプリが増えていくため、お気に入りのアプリが使えなくなったり、新しい機能が利用できなかったりする可能性があります。セキュリティアップデートも提供されなくなるため、セキュリティリスクも高まります。

 

2. 性能面:日常使いにも厳しさ

 

A9Xチップは当時のハイエンドでしたが、9年経った現在では、最新のiPadに搭載されているAシリーズやMシリーズチップとは比較になりません。

  • ウェブブラウジングSNS: 複雑なウェブサイトや多くの画像を含むSNSの閲覧では、読み込みが遅くなったり、スクロールがカクついたりすることが増えるでしょう。

  • 動画視聴: YouTubeなどの動画再生は可能ですが、高解像度(4Kなど)の動画再生や、複数のアプリを同時に開いている状態では、スムーズさに欠ける場合があります。

  • ゲーム・クリエイティブアプリ: 最新の3Dゲームや、写真・動画編集などの負荷の高いアプリは、動作が非常に重く、実用レベルでの利用は難しいでしょう。

  • 全体的な動作の遅延: アプリの起動や切り替え、OS全体の動作において、もたつきを感じることが多くなります。

 

3. デザインと周辺機器:旧世代の制約

 

  • ベゼルとホームボタン: 現在のiPad ProやAirが採用する全画面デザインとは異なり、上下に太いベゼルとホームボタンがあります。

  • Apple Pencil(第1世代): Lightningポートに挿して充電する方式は、Apple Pencil(第2世代)の磁力吸着充電に比べて利便性が劣ります。

  • Lightningポート: 最新のUSB-Cポートに対応しないため、多くの新しい周辺機器との直接接続には変換アダプタが必要です。


 

今、9.7インチiPad Pro(第1世代)を選ぶべきか?

 

 

既に9.7インチiPad Pro(第1世代)を持っている人

 

  • 用途を限定すれば「なんとか使える」: OSが古く、性能も現代基準では厳しいですが、非常に限定的な用途(例: オフラインでの動画視聴、電子書籍リーダー、特定の古いアプリ専用機、写真のスライドショーなど)であれば、まだ利用できるかもしれません。

  • 買い替えを強く推奨: しかし、ウェブブラウジングSNSYouTubeなどの一般的な用途でもストレスを感じる場面が多くなっているはずです。セキュリティリスクも考慮すると、新しいiPadへの買い替えを強くお勧めします。特にApple Intelligenceなどの最新機能を体験したい場合は、買い替えは必須です。

 

これから9.7インチiPad Pro(第1世代)の購入を検討している人

 

  • 基本的に非推奨: 新品での入手はまず不可能であり、中古市場で非常に安価に出回っていても、基本的に購入は推奨できません。OSアップデートがすでに終了しており、今後、多くのアプリが利用できなくなる可能性が高いからです。性能面も現代の基準では非常に厳しく、すぐに買い替えたくなる可能性が高いです。

  • もし買うなら「割り切り」が必須: どうしても手元にiPadが欲しいが予算が極限までない、かつ特定の古いアプリだけ動かせれば良い、といった非常に限定的な「割り切り」がある場合にのみ検討の余地があるかもしれません。しかし、その場合でも、後継のiPad Pro 10.5インチや、iPad(第8世代)など、OSサポートがまだ続いている他のモデルを強くお勧めします。


 

まとめ:名機もいつかは引退の時

 

9.7インチiPad Pro(第1世代)は、Proラインの扉を開いた「名機」であり、登場時は多くのユーザーに感動を与えました。しかし、テクノロジーの進化は速く、特にOSサポートの終了は、デバイスの寿命を大きく左右します。

現在の利用状況を考えると、このモデルは既にその役目を終えつつあると言わざるを得ません。もし現在お持ちであれば買い替えを、これから購入を検討しているのであれば、より新しい世代のiPadを選ぶことを強くお勧めします。新しいiPadは、はるかに快適で、長く、そして安全に利用できるでしょう。