データレイク・データウェアハウス・データマートの違いをわかりやすく解説!

データ分析やDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいると、
データレイク」「データウェアハウス(DWH)」「データマート(DM)」という言葉を耳にする機会が増えてきます。

でも、

「それぞれどう違うの?」
「どうやって使い分けるの?」
と疑問に思ったことはありませんか?

この記事では、それぞれの定義や特徴、使いどころをわかりやすく整理して解説します。


まずざっくりイメージで理解!

用語 一言で言うと 主な対象データ 利用者
データレイク すべての生データの貯水池 構造化・非構造化の両方 データサイエンティストなど
データウェアハウス きれいに整理されたデータの倉庫 構造化データ アナリスト、経営企画など
データマート 特定部門向けのミニ倉庫 構造化データ(必要な一部) 営業、マーケ、各部門担当者

データレイクとは?

データレイク(Data Lake)は、
構造化・非構造化問わず、あらゆる形式の生データをそのまま蓄積できるストレージのことです。

たとえば:

  • センサーデータ

  • アクセスログ

  • 画像・動画ファイル

  • 音声データ

  • JSONCSVなどの構造化ファイル

💡 特徴:

  • 柔軟性が高く、後からデータ形式を決める(スキーマ・オン・リード)

  • 機械学習やAI分析に向いている

  • ただし、管理しないと“データ沼”になるリスクも…

🧪 主な用途:

  • データサイエンティストによる探索的データ分析(EDA

  • 大規模なログ・IoTデータの蓄積


データウェアハウス(DWH)とは?

データウェアハウス(Data Warehouse)は、
業務システムなどから抽出された構造化データを整理・統合して保管するための専用データベース
です。

たとえば:

  • 売上データ

  • 顧客情報

  • 会計データ など

📦 特徴:

  • スキーマ(構造)がしっかり決まっている(スキーマ・オン・ライト)

  • 高速で安定した分析が可能

  • データの正確性・整合性が重視される

📊 主な用途:

  • 経営分析

  • BIツールでの可視化

  • 定型レポートの作成


データマートとは?

データマート(Data Mart)は、
データウェアハウスの中から特定の業務部門や目的に特化した小さなデータセット
のことです。

たとえば:

🔍 特徴:

  • 利用者がすぐに使えるよう設計

  • 必要なデータだけを切り出すため、軽量で速い

  • 分析対象が明確なため、非エンジニアでも扱いやすい

📈 主な用途:

  • 営業戦略立案

  • 広告効果分析

  • 顧客セグメント分析 など


使い分けのイメージ

  • 🌊 データレイク → データを「何でもためておく」場所(準備室)

  • 🏢 DWH → データを「整えて共有する」場所(本社)

  • 🧰 データマート → 特定用途で「手早く使う」場所(各支社)


まとめ

用語 保存するデータ 主な使い道 メリット 注意点
データレイク あらゆる生データ 機械学習、探索的分析 高い柔軟性 管理しないとカオス化
DWH 整形された構造化データ 経営分析、BI活用 高い信頼性・性能 柔軟性には欠ける
データマート DWHの一部データ 部門別の分析 使いやすさ データの粒度に注意

おまけ:クラウド時代の選択肢

最近では、クラウドベースの基盤も主流です。

  • データレイク:Amazon S3、Azure Data Lake、Google Cloud Storage

  • DWH:Amazon Redshift、Snowflake、BigQuery、Azure Synapse

  • データマート:Tableau Prep、Power BI Dataflows、Looker


データ活用を進めるには、「どこに、どのようにデータを蓄積し、どう使っていくか」の設計が非常に重要です。
その第一歩として、今回ご紹介した3つの概念をしっかり理解しておきましょう!