SharePoint Online で利用できるスクリプト言語とは?

SharePoint Online は、Microsoft 365 の一部として提供されるクラウド型のコラボレーションプラットフォームです。カスタマイズ性が高く、スクリプト言語を活用することで、サイトの動的な機能追加や自動化が可能になります。

本記事では、SharePoint Online で利用できるスクリプト言語と、それぞれの用途や活用例について解説します。


1. SharePoint Online で利用できるスクリプト言語の種類

SharePoint Online では、以下のスクリプト言語が利用できます。

言語 主な用途
Power Automate (ローコード) ワークフローの自動化
JSON (リストのカスタムビュー) リストやライブラリの見た目の変更
JavaScript (SPFx, PnP JS) インタラクティブな機能の追加
TypeScript (SPFx) JavaScript の拡張、堅牢な開発
PowerShell (PnP PowerShell) サイト管理・データ操作の自動化

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。


2. Power Automate(ローコード開発)

🔹 用途:ワークフローの自動化

Power Automate(旧 Microsoft Flow)は、SharePoint Online のデータ処理を自動化できるローコードツールです。スクリプトを書く必要はなく、ノーコード/ローコードでフローを作成できます。

✅ 活用例

  • ドキュメントがアップロードされたら自動で承認フローを実行

  • 新しいリストアイテムが作成されたら、Teams に通知を送る

  • フォームの入力データを SharePoint に保存し、管理者にメール通知

🚀 メリット

  • コーディング不要で簡単にワークフローを作成できる

  • Power Apps や Teams との統合が容易


3. JSON(リスト・ライブラリのカスタムビュー)

🔹 用途:リストやライブラリの表示をカスタマイズ

SharePoint Online のリストビューやフォームのデザインを変更するために JSON を使用できます。

✅ 活用例

  • リストのステータス(例:「未対応」「進行中」「完了」)を色付きバッジで表示

  • 特定の条件(例:「期限切れ」)で背景色を変更

  • アイコンやボタンを追加し、クリックで詳細ページに移動

🔹 サンプル JSON コード(ステータスの色付け)

{
 "$schema": "https://developer.microsoft.com/json-schemas/sp/v2/column-formatting.schema.json",
 "elmType": "div",
 "style": {
  "color": "=if([$Status] == '完了', 'green', if([$Status] == '進行中', 'orange', 'red'))"
 },
 "children": [
  {
   "elmType": "span",
   "txtContent": "@currentField"
  }
 ]
}

🚀 メリット

  • コーディングなしで SharePoint リストの見た目を変更できる

  • メンテナンスがしやすく、ビジュアル改善に役立つ


4. JavaScript(SPFx, PnP JS)

🔹 用途:インタラクティブな機能の追加

SharePoint Online では、JavaScript を使用してカスタム機能を追加できます。特に、SharePoint Framework (SPFx)PnP JS を活用すると、より高度な開発が可能です。

✅ 活用例

  • カスタム Web パーツを作成し、動的な UI を実装

  • リストデータをリアルタイムでフィルタリングして表示

  • ユーザーの入力データを取得し、外部 API に送信

🔹 サンプル JavaScript(PnP JS を使ったリストデータ取得)

import { sp } from "@pnp/sp/presets/all";
sp.web.lists.getByTitle("タスク一覧").items.get().then(items => {
 console.log(items);
});

🚀 メリット


5. TypeScript(SPFx 開発)

🔹 用途:JavaScript の拡張、高品質な開発

TypeScript は JavaScript の拡張版で、型チェックが可能なため、大規模な SharePoint 開発に適しています。SPFx での開発では TypeScript が標準的に使用されます。

✅ 活用例

  • カスタム Web パーツの開発(React + TypeScript)

  • エンタープライズ向けの動的 UI の構築

  • API との連携(例:Graph API を使って Outlook の予定表を表示)

🚀 メリット

  • 型チェックができるので、バグが減る

  • 保守性が高く、長期運用に向いている


6. PowerShell(PnP PowerShell

🔹 用途:サイト管理・データ操作の自動化

SharePoint の管理タスクを自動化するには、PowerShell(特に PnP PowerShell)が便利です。

✅ 活用例

  • サイトやリストの一括作成

  • ユーザー権限の設定や変更

  • 不要なファイルやリストアイテムの自動削除

🔹 サンプル PowerShell コード(サイトの一覧取得)

Connect-PnPOnline -Url "https://yourtenant.sharepoint.com" -UseWebLogin Get-PnPWeb

🚀 メリット

  • 手作業を自動化でき、管理者の負担を軽減

  • 一括処理が可能で、大規模運用に適している


7. まとめ

💡 SharePoint Online では、目的に応じてさまざまなスクリプト言語を活用できます!

言語 主な用途
Power Automate ノーコードでワークフローを自動化
JSON リストやライブラリの見た目をカスタマイズ
JavaScript (SPFx, PnP JS) インタラクティブな機能を追加
TypeScript (SPFx) 安全で堅牢なアプリ開発
PowerShell (PnP PowerShell) サイト管理・データ操作の自動化

用途に応じたスクリプトを活用し、SharePoint Online をより便利にカスタマイズしましょう! 🚀