CMMI(Capability Maturity Model Integration)は、組織のプロセス改善を支援するためのフレームワークとして、多くの企業で活用されています。2018年にCMMI 2.0がリリースされ、デジタル時代に対応したプロセス改善が可能になりました。そして、2023年4月にCMMI 3.0が登場し、さらに進化を遂げています。
では、CMMI 2.0とCMMI 3.0にはどのような違いがあるのでしょうか?本記事では、その大きな変更点や進化のポイントを詳しく解説します!
1. CMMI 3.0の主な変更点
CMMI 3.0では、ビジネス成果と組織の俊敏性(アジャイル性)をより重視する方向へと進化しました。主な変更点を以下にまとめます。
① ガバナンスとリスク管理の強化
CMMI 2.0でもリスク管理は重要視されていましたが、CMMI 3.0ではさらに強化されています。特に、ガバナンス(企業統治)に関するプロセスが強化され、経営レベルでの意思決定プロセスの改善が求められるようになりました。
🔹 CMMI 2.0:
-
プロジェクトレベルでのリスク管理が中心
-
企業全体の戦略に関するガバナンスの明確な基準は少なめ
🔹 CMMI 3.0:
② DevSecOps(開発+セキュリティ+運用)への対応
CMMI 3.0では、DevSecOps(開発・セキュリティ・運用の統合)を重視するようになりました。
🔹 CMMI 2.0:
-
DevOpsへの対応はあったが、セキュリティの統合は明確でなかった
🔹 CMMI 3.0:
これにより、企業はセキュリティを後付けするのではなく、開発の最初から組み込んだプロセス設計が可能になりました。
③ AI・デジタル技術の活用を推奨
CMMI 3.0では、AIやデジタル技術の活用を正式に推奨しています。
🔹 CMMI 2.0:
-
AIやデジタル技術の活用に関する明確な指針はなかった
🔹 CMMI 3.0:
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AIを活用した品質管理、リスク予測、プロセス最適化を推奨
-
データドリブンな経営(データに基づいた意思決定)の重要性を強調
これにより、AIを活用して品質改善や業務効率化を進める企業にとって、より適したフレームワークとなっています。
2. CMMI 2.0と3.0の比較表
項目 | CMMI 2.0 | CMMI 3.0 |
---|---|---|
リスク管理 | プロジェクト単位 | 企業全体のガバナンス強化 |
セキュリティ対応 | 基本的なガイドラインあり | DevSecOpsを正式に導入 |
AI・デジタル技術 | 明確な指針なし | データドリブンな経営を推奨 |
プロセスの柔軟性 | アジャイル対応強化 | より俊敏で適応可能なプロセスへ進化 |
3. CMMI 3.0はどんな企業に向いているのか?
CMMI 3.0は、特に以下のような企業に適しています。
✅ ガバナンスを強化したい企業(経営戦略とプロジェクトの連携を強化)
✅ セキュリティリスクを重視する企業(サイバー攻撃対策を強化)
✅ AIやデジタル技術を活用したい企業(データドリブンな経営を目指す)
✅ DevSecOpsを導入している企業(セキュリティを開発プロセスに統合)
4. まとめ:CMMI 3.0はより実践的なモデルへ進化!
CMMI 3.0は、リスク管理・ガバナンス・セキュリティ・AI活用といった要素を強化し、より実践的なプロセス改善モデルへと進化しました。
特に、DevSecOpsの導入やデータドリブンな経営を目指す企業にとって、大きなメリットがあるバージョンアップとなっています。
CMMI 2.0を導入している企業も、3.0の変更点を理解し、必要な部分を取り入れることで、より競争力のある組織運営が可能になるでしょう。
これからCMMIを導入しようと考えている企業も、CMMI 3.0の最新のガイドラインに基づいてプロセス改善を進めることをおすすめします!