CNAPP(Cloud-Native Application Protection Platform)とは?

 

クラウドネイティブ技術の普及に伴い、セキュリティに対する新たなアプローチが必要となっています。その中で注目されているのが CNAPP(Cloud-Native Application Protection Platform) です。本記事では、CNAPPの概要、特徴、導入のメリット、主要な機能、そして選定時のポイントについて解説します。


CNAPPの概要

CNAPPとは、クラウドネイティブ環境でのアプリケーション開発および運用に特化した統合型セキュリティプラットフォームを指します。このプラットフォームは、以下の領域を統合的に管理するために設計されています:

  • クラウドインフラストラクチャのセキュリティ
  • アプリケーションのコードセキュリティ
  • ランタイム環境の保護

クラウドネイティブアプリケーションは、コンテナやマイクロサービス、サーバーレスなどの技術を活用しているため、従来のセキュリティツールでは十分に対応できません。CNAPPは、これらの複雑な環境におけるセキュリティ要件を包括的にカバーします。


CNAPPの主な特徴

CNAPPが提供する主要な特徴は以下の通りです:

  1. 統合型プラットフォーム
    複数のセキュリティツールを使用する代わりに、1つのプラットフォームでセキュリティ管理を一元化。

  2. コードからクラウドまでの保護
    アプリケーションの開発時からデプロイ、ランタイムまで、全ライフサイクルを通じたセキュリティを提供。

  3. 可視性の向上
    クラウド環境のセキュリティリスクやコンプライアンス状況をリアルタイムで可視化。

  4. 自動化による効率化
    セキュリティスキャンや脅威検出、修復プロセスを自動化して、運用負荷を軽減。

  5. ゼロトラストセキュリティ
    ユーザーやデバイス、アプリケーション間の通信を常に検証し、信頼を前提としないセキュリティモデルを導入。


CNAPPの主要機能

CNAPPは多機能なプラットフォームであり、主に以下の機能を備えています:

1. CSPM(Cloud Security Posture Management)

クラウドインフラストラクチャの設定ミスやコンプライアンス違反を検出・修正する機能。
例: 不必要に公開されたストレージバケットを検知。

2. CWPP(Cloud Workload Protection Platform)

コンテナや仮想マシン、サーバーレス環境のランタイムセキュリティを提供。
例: ランタイムでの不正なプロセスや通信をブロック。

3. IaCセキュリティ(Infrastructure as Code Security)

TerraformやCloudFormationなどのIaCテンプレートをスキャンし、セキュリティリスクを特定。
例: セキュリティグループの過剰なポート開放を検出。

4. 脆弱性管理

依存関係やライブラリ、コンテナイメージの脆弱性を特定し、修復策を提案。
例: ソフトウェアの依存パッケージに含まれる既知の脆弱性をレポート。

5. ランタイム保護

実行中のワークロードを監視し、不正な挙動や攻撃をリアルタイムで防止。
例: コンテナ内でのマルウェア検出。

6. シフトレフトセキュリティ

開発プロセスの早い段階でセキュリティを取り入れ、脆弱性を未然に防止。
例: 開発者向けのセキュリティスキャンツールを提供。


CNAPPの導入メリット

CNAPPを導入することで、以下のようなメリットが得られます:

  • 運用効率の向上: 複数のツールを統合することで、セキュリティ運用が効率化。
  • コスト削減: 個別ツールの利用コストや管理負担を削減。
  • リスク軽減: 全体的なセキュリティ体制を強化することで、リスクを最小限に。
  • 開発速度の維持: 開発者の作業を妨げることなく、セキュリティを実装。

CNAPPの導入時の注意点

CNAPPを選定・導入する際には、以下の点に注意してください:

  1. 自社環境との適合性: 使用しているクラウドプラットフォーム(AWS、Azure、GCPなど)との互換性を確認。
  2. 統合性: 既存のセキュリティツールや運用プロセスとどれだけスムーズに統合できるか。
  3. スケーラビリティ: 現在の環境だけでなく、将来的なスケールアップにも対応可能か。
  4. コンプライアンス要件: 規制や法令を遵守するために必要な機能が備わっているか。

CNAPPの主要プロバイダー

以下は、CNAPPソリューションを提供する代表的な企業です:

  1. Palo Alto Networks (Prisma Cloud)
    クラウドセキュリティに特化した包括的なプラットフォーム。

  2. Aqua Security
    コンテナセキュリティに強みを持つツール。

  3. Check Point (CloudGuard)
    クラウド環境全体をカバーする統合型セキュリティソリューション。

  4. Lacework
    機械学習を活用したクラウドセキュリティの可視化と自動化。

  5. Trend Micro Cloud One
    マルチクラウド環境に対応した統合型セキュリティプラットフォーム。


まとめ

CNAPPは、クラウドネイティブ時代のセキュリティ課題に対応するための革新的なプラットフォームです。統合性と自動化を備えたこのツールは、クラウドインフラやアプリケーションの保護に大きく貢献します。

クラウドネイティブ環境をより安全に運用したい企業にとって、CNAPPは必須のソリューションとなるでしょう。導入を検討する際は、自社のセキュリティ要件を明確にし、最適なツールを選定することが重要です。