ISACA(Information Systems Audit and Control Association)は、1969年に設立された情報システム、ガバナンス、セキュリティ、リスク管理、および監査の専門家のための国際的な非営利団体です。
かつては「情報システム監査コントロール協会」という名称でしたが、現在はその枠を超えた広範なITマネジメントをカバーしており、単に「ISACA」という呼称が正式なブランドとなっています。
-
グローバルな規模: 世界180カ国以上に20万人以上の会員を擁しています。
-
主な役割: ITガバナンスのフレームワーク「COBIT」の策定や、世界的に信頼性の高い認定資格の運営を行っています。
ISACAが提供する主要な認定資格
ISACAの資格は、単なる知識のテストではなく「実務経験」を重視するのが特徴です。合格後も継続的な学習(CPE:継続的専門教育)が義務付けられており、常に最新のスキルを維持している証明になります。
| 資格名 | 正式名称 | 主な対象者 | フォーカス分野 |
| CISA | 公認情報システム監査人 | IT監査人、コンサルタント | システム監査、コントロール、保証 |
| CISM | 公認情報セキュリティマネージャー | セキュリティ責任者、マネージャー | セキュリティ戦略、ガバナンス、リスク管理 |
| CRISC | 公認リスク情報システム管理者 | ITリスク担当、ビジネスアナリスト | ITリスクの特定、評価、対応、監視 |
| CGEIT | 公認ITガバナンス専門官 | 経営層、ITコンサルタント | 組織全体のITガバナンス、戦略的整合 |
| CDPSE | 認定データプライバシー・ソリューション技術者 | プライバシーエンジニア、法務 | プライバシー技術の実装、データ保護 |
2026年の注目トレンド:AIとデジタル・トラスト
最新の状況として、ISACAは従来の監査やセキュリティの枠組みに加え、「デジタル・トラスト(デジタル社会における信頼性)」と「AIガバナンス」に注力しています。
1. AI関連の新しい認定資格
2026年現在、ISACAはAIの実装と管理に特化した新しい資格をリリースしています。
-
AAIA(Advanced in AI Audit): AIシステムの透明性や公平性を監査するための専門資格。
-
AAISM(Advanced in AI Security Management): AI特有の脆弱性やリスクから組織を守るためのマネジメント資格。
2. DTEF(Digital Trust Ecosystem Framework)
ビジネスにおいてデジタル技術が不可欠となった今、単なるセキュリティだけでなく、誠実性、信頼性、透明性をいかに担保するかを示す「デジタル・トラスト・エコシステム・フレームワーク」が、多くの企業で導入され始めています。
なぜ今、ISACAに注目すべきなのか?
ブログを読んでいる皆さんがISACAに関わるメリットは、大きく分けて3つあります。
-
「共通言語」が手に入る:
世界標準のフレームワーク(COBITなど)を学ぶことで、国内外のエンジニアや経営層と、論理的かつ構造的にITリスクや投資について議論できるようになります。
-
キャリアの市場価値向上:
特にCISAやCISMは、外資系企業や大手企業の管理職採用において、非常に高い評価を得る「ゴールドスタンダード」な資格です。
-
コミュニティでの知見共有:
日本支部などの活動を通じて、他社の監査人やセキュリティ責任者が「AIのリスクにどう対処しているか」といった、ネットには出ないリアルな成功・失敗事例に触れることができます。
まとめ:信頼を築くプロフェッショナルへ
ISACAは、技術的な「How(どう作るか)」だけでなく、ビジネス的な「So What(それがどう価値を生むか、どう守るか)」を追求する団体です。
2026年、AIによってITの境界線が曖昧になる中で、組織に「信頼」という基盤をもたらすISACAの知見は、今後さらに価値を高めていくでしょう。
「技術を理解し、ビジネスを管理し、信頼を担保する。」
そんなプロフェッショナルを目指すなら、まずはISACAの公式サイトをチェックしたり、公開されているホワイトペーパーを読んでみることから始めてみてはいかがでしょうか?