インフォスティーラーとは?

インフォスティーラーは、その名の通り、デバイスから機密情報を盗み出すことを目的としたマルウェアの一種です。ユーザーが意識しないうちにバックグラウンドで動作し、クレジットカード情報、ログイン認証情報、個人を特定できる情報(PII)、仮想通貨ウォレットのパスワードなど、さまざまな種類のデータを収集します。

 

インフォスティーラーの仕組み

 

インフォスティーラーは、通常以下のようないくつかの段階を経て情報を窃取します。

  1. 侵入: フィッシングメールの添付ファイル、悪意のあるウェブサイトからのダウンロード、ソフトウェアの脆弱性の悪用など、さまざまな経路でシステムに侵入します。

  2. 潜伏と拡散: システムに侵入すると、検出を回避するために自身の痕跡を隠したり、システムファイルになりすましたりします。また、ネットワーク内の他のデバイスに拡散しようとすることもあります。

  3. 情報収集: 標的となる情報を探し出し、クリップボードの内容、キーロガーによる入力情報、ブラウザの保存済みパスワード、Cookie、システム設定ファイルなどを収集します。仮想通貨ウォレットのシードフレーズや秘密鍵を狙うものも増えています。

  4. 情報の外部送信: 収集した情報は、攻撃者が管理するサーバー(C2サーバー)へ暗号化されて送信されます。

 

インフォスティーラーの種類

 

インフォスティーラーは、窃取する情報の種類や攻撃手法によって分類できます。

  • ブラウザベースのインフォスティーラー: ウェブブラウザに保存されている認証情報、Cookie、フォームの自動入力データなどを狙います。

  • キーロガー: ユーザーが入力するすべてのキー操作を記録し、パスワードやクレジットカード番号などを盗み出します。

  • クリップボード監視型: クリップボードにコピーされた情報(特に仮想通貨のアドレスなど)を監視し、攻撃者のものとすり替えることで資金を窃取しようとします。

  • ファイルベースのインフォスティーラー: 特定の種類のファイル(例: ドキュメント、スプレッドシート、仮想通貨ウォレットファイル)をスキャンして盗み出します。

  • バンキングトロージャン: オンラインバンキングの認証情報を標的とし、不正送金を行います。

 

インフォスティーラーの脅威と影響

 

インフォスティーラーによって情報が窃取されると、以下のような深刻な被害につながる可能性があります。

  • 金銭的被害: クレジットカードの不正利用、銀行口座からの不正送金、仮想通貨の盗難など。

  • 個人情報の悪用: 盗まれた個人情報がダークウェブで売買され、なりすまし詐欺やその他の犯罪に悪用される。

  • 企業への被害: 企業の機密情報が流出し、競争力の低下や顧客からの信頼失墜を招く。

  • プライバシーの侵害: 個人の行動履歴や嗜好が漏洩し、プライバシーが侵害される。

 

インフォスティーラーから身を守るには?

 

インフォスティーラーの脅威から身を守るためには、以下の対策を講じることが重要です。

  1. 不審なメールやリンクは開かない: フィッシングメールスパムメールは、インフォスティーラーの主要な感染経路です。送信元が不明なメールや、内容に不審な点があるメールは開かないようにしましょう。

  2. 信頼できるセキュリティソフトウェアを使用する: 高品質なアンチウイルスソフトウェアやエンドポイントセキュリティソリューションを導入し、常に最新の状態に保ちましょう。これらのソフトウェアは、既知のインフォスティーラーを検出・駆除するのに役立ちます。

  3. ソフトウェアやOSを常に最新の状態に保つ: ソフトウェアの脆弱性は、マルウェアの侵入経路となります。OS、ブラウザ、その他のアプリケーションを定期的にアップデートし、セキュリティパッチを適用しましょう。

  4. 強力なパスワードと二要素認証(2FA)を使用する: 各オンラインサービスで使い回しのない複雑なパスワードを設定し、可能であれば二要素認証を有効にすることで、認証情報が盗まれても不正アクセスを防ぐことができます。

  5. 不審なウェブサイトにはアクセスしない: 悪意のあるウェブサイトは、アクセスするだけでマルウェアをダウンロードさせたり、脆弱性を悪用したりすることがあります。

  6. 定期的なデータのバックアップ: 万が一、情報が盗まれたりシステムが侵害されたりした場合に備え、重要なデータは定期的にバックアップを取っておきましょう。

  7. 公開Wi-Fiの利用に注意する: 公開Wi-Fiはセキュリティが脆弱な場合があり、通信内容を盗聴されるリスクがあります。重要な情報のやり取りは、信頼できるネットワーク環境で行うか、VPNを利用しましょう。

  8. 怪しい添付ファイルは開かない: メールに添付されているファイルは、送信元が明確で内容が確実なもの以外は開かないようにしましょう。特に実行ファイル形式(.exe, .scrなど)のファイルには注意が必要です。


インフォスティーラーは常に進化しており、その手口も巧妙化しています。しかし、適切な知識と対策を講じることで、その脅威から自身や大切な情報を守ることができます。常にセキュリティ意識を高め、最新の脅威情報にアンテナを張っておくことが重要です。