Wi-Fiの規格について解説

Wi-Fiは、無線LAN技術の標準規格であり、日々のインターネット接続に欠かせないものです。Wi-Fiの規格は進化し続けており、新しい規格ほど高速で安定した通信が可能になります。本記事では、Wi-Fiの主な規格とその特徴について解説します。


1. Wi-Fiの規格とは?

Wi-Fiの規格は、IEEE(米国電気電子学会)が策定する IEEE 802.11 シリーズによって定義されています。規格ごとに通信速度や周波数帯が異なり、新しい規格ほどパフォーマンスが向上しています。

Wi-Fiの名称は、2018年から Wi-Fi 〇(数字)」 というシンプルな形式になりました。たとえば、「Wi-Fi 6」は「IEEE 802.11ax」に対応しています。


2. Wi-Fiの主な規格と特徴

(1)IEEE 802.11bWi-Fi 1)

  • 登場年:1999年
  • 最大速度:11Mbps
  • 周波数帯:2.4GHz
  • 特徴:初期のWi-Fi規格であり、現在はほとんど使われていません。

(2)IEEE 802.11aWi-Fi 2)

  • 登場年:1999年
  • 最大速度:54Mbps
  • 周波数帯:5GHz
  • 特徴:2.4GHz帯と干渉しないため、高速通信が可能。ただし、壁などの障害物に弱い。

(3)IEEE 802.11gWi-Fi 3)

  • 登場年:2003年
  • 最大速度:54Mbps
  • 周波数帯:2.4GHz
  • 特徴802.11bの後継で、より高速な通信が可能。

(4)IEEE 802.11nWi-Fi 4)

  • 登場年:2009年
  • 最大速度:600Mbps
  • 周波数帯:2.4GHz / 5GHz(デュアルバンド)
  • 特徴:MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術を採用し、複数のアンテナを使用することで通信速度を向上。

(5)IEEE 802.11acWi-Fi 5)

  • 登場年:2014年
  • 最大速度:6.9Gbps
  • 周波数帯:5GHz
  • 特徴
    • MIMOの強化版「MU-MIMO」を採用し、複数のデバイスを同時に高速接続可能。
    • 5GHz帯のみ対応しており、混雑しにくい。

(6)IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)

  • 登場年:2019年
  • 最大速度:9.6Gbps
  • 周波数帯:2.4GHz / 5GHz
  • 特徴
    • OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access により、多数のデバイスと効率的に通信可能。
    • MU-MIMOの強化により、多数の接続でも速度低下しにくい。
    • WPA3 によるセキュリティ強化。

(7)IEEE 802.11be(Wi-Fi 7)

  • 登場予定:2024年(規格策定中)
  • 最大速度:46Gbps(理論値)
  • 周波数帯:2.4GHz / 5GHz / 6GHz
  • 特徴
    • 320MHzの広帯域化 により、Wi-Fi 6の約4.8倍の速度。
    • 4096-QAMによる通信効率の向上。
    • Multi-Link Operation(MLO) で複数の周波数帯を同時利用し、安定性向上。

3. どのWi-Fi規格を選ぶべきか?

用途に応じて最適なWi-Fi規格を選びましょう。

  • 一般的な家庭利用(スマホ・PC・動画視聴)Wi-Fi 6(802.11ax)
  • ゲーム・高速通信が必要な場合Wi-Fi 6E(6GHz帯対応)またはWi-Fi 7
  • 低価格で十分な速度がほしいWi-Fi 5(802.11ac
  • 古い機器を使いたいWi-Fi 4(802.11n

4. まとめ

Wi-Fiの規格は進化を続けており、新しい規格ほど高速で安定した通信が可能です。現在は Wi-Fi 6 が主流で、今後 Wi-Fi 7 も普及が進むと考えられます。利用環境に合わせて最適なWi-Fi規格を選び、快適なインターネット環境を整えましょう!