ホンダ e:HEV とは?ハイブリッド技術の特徴とメリットを解説!

近年、電動車の普及が進む中で、ホンダの「e:HEV(イーエイチイーブイ)」が注目されています。これは、ホンダ独自のハイブリッドシステムであり、エンジンとモーターの役割を状況に応じて最適化することで、高い燃費性能と電動車ならではの走行フィーリングを実現しています。

本記事では、e:HEVの仕組み、他のハイブリッドシステムとの違い、メリット・デメリットを詳しく解説します!


e:HEV とは? ホンダ独自の2モーターハイブリッド

e:HEVは、ホンダが開発した2モーター式ハイブリッドシステムです。トヨタのハイブリッド(THS)や日産のe-POWERと異なり、走行状況に応じて「モーター駆動」と「エンジン駆動」を自動で切り替えるのが特徴です。

🔧 e:HEVのシステム構成

  1. エンジン(発電+走行用)
  2. 走行用モーター(駆動専用)
  3. 発電用モーター(エンジンの動力を電気に変換)
  4. バッテリー(電気を蓄えてモーターに供給)

e:HEVの3つの走行モード

e:HEVは「EV走行」「ハイブリッド走行」「エンジン走行」の3つのモードを自動で切り替えます。

モード 仕組み 主な走行シーン
EV走行 バッテリーの電力だけでモーターを駆動 発進・低速走行(静かでスムーズ)
ハイブリッド走行 エンジンで発電し、その電力でモーターを駆動 市街地走行(燃費と加速のバランス)
エンジン走行 エンジンの動力で直接走行 高速道路(効率良く走行)

このように、低速域ではEVのように静かに、高速ではエンジンの効率を活かして燃費を向上させるのがe:HEVの特長です。


e:HEVと他のパワートレインの違い

e:HEVがどのような立ち位置にあるのか、他の方式と比較してみましょう。

項目 ガソリン車 ハイブリッド車(THSなど) 日産 e-POWER ホンダ e:HEV 電気自動車(EV)
駆動方式 エンジンのみ エンジン+モーター モーターのみ エンジン+モーター モーターのみ
エンジンの役割 走行 走行+発電 発電のみ 走行+発電 なし
燃料 ガソリン ガソリン+電気 ガソリン(発電用) ガソリン+電気 電気
充電の必要性 不要 不要 不要 不要 必要
低速域でのEV走行 一部可能 可能 可能 100%EV
高速走行時の燃費 悪い 良い 普通 良い 良い(充電次第)

このように、e:HEVはハイブリッドの中でも電動走行時間が長く、エンジンの使用を最適化することで、よりEVに近いフィーリングを実現しています。


e:HEVのメリット

① EVのような静かで滑らかな走行
発進時や低速走行ではモーターのみで動くため、エンジンの振動や音がなく、EVのようなスムーズな走りを体験できます。

② 高い燃費性能
エンジンは主に発電用として動作し、高速域ではエンジン走行に切り替えるため、市街地でも高速道路でも燃費が良いのが特徴です。

③ 充電の手間なし
バッテリーEVのように充電設備を気にする必要がなく、ガソリンを入れるだけで走行可能なのは大きな利点です。

④ ワンペダルドライブに近い運転感覚
減速時にモーターで回生ブレーキをかけるため、アクセルを離すだけで自然に減速。EVの「ワンペダルドライブ」に近い操作感を味わえます。


e:HEVのデメリット

① バッテリーEVほどの環境性能はない
ガソリンを使うため、CO₂の排出はゼロにはなりません。完全なゼロエミッションを目指すならEVの方が優れています。

② 日産 e-POWERと比べるとEV走行時間が短い
e-POWERはエンジンが発電専用ですが、e:HEVは状況に応じてエンジンが走行に使われるため、EV感を重視するならe-POWERの方が適しています。

③ システムが複雑で車両価格が高め
e:HEVは2つのモーターとバッテリーを搭載するため、通常のガソリン車やマイルドハイブリッドに比べて車両価格が高くなる傾向があります。


e:HEV搭載車種

現在、e:HEVはさまざまなホンダ車に採用されています。

🚗 フィット e:HEV(コンパクトカー)
🚙 ヴェゼル e:HEVSUV
🚘 ステップワゴン e:HEV(ミニバン)
🚖 シビック e:HEV(スポーツモデル)
🚗 アコード e:HEV(セダン)

車種によって制御のチューニングが異なり、フィットやヴェゼルは燃費重視、シビックやアコードはスポーティな走りを意識した設定になっています。


まとめ:e:HEVは「EVの良さを活かしたハイブリッド」

e:HEVは、EVのような静かで力強い走行感と、ハイブリッドの経済性を両立したパワートレインです。

EV並みの静粛性とスムーズな走り
市街地でも高速でも高い燃費性能
充電の手間なしで電動走行を楽しめる

一方で、完全なゼロエミッションではないため、EVとハイブリッドの中間的な選択肢として検討すると良いでしょう。

「充電は面倒だけど、電動車の良さを感じたい!」 という人には、e:HEVは最適な選択肢の一つです! 🚗⚡