「KVM」という言葉を聞くと、通常は複数のコンピューター間でキーボード (Keyboard)・ビデオ (Video)・マウス (Mouse)を切り替えて使うための物理的な切り替え機(ハードウェアKVM)を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、今回解説するのは、ネットワークを通じてキーボードやマウスの操作を共有する、いわばKVMの「ソフトウェア版」や「ネットワークKVM」とも呼ばれるソリューションです。
🖱️ ソフトウェアKVMとは?
このタイプのソリューションは、ネットワークを経由して、一台のキーボードとマウスの操作を、同じネットワーク内にある複数のコンピューター間で共有できるようにするものです。最も代表的なソフトウェアとしては「Synergy(シナジー)」などがあります。
💡 特徴とメリット
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ケーブルレス: ハードウェアKVMのように、コンピューターと切り替え機を有線で接続する必要がありません。ネットワーク接続があれば利用可能です。
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シームレスな操作: 複数のコンピューターの画面を並べて配置し、まるで一つの大きなデスクトップであるかのように、マウスカーソルを画面の端を越えて隣のコンピューターへ移動させることができます。
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環境構築の柔軟性: 異なるOS(Windows、macOS、Linuxなど)が混在する環境でも、OSの壁を超えてキーボードとマウスを共有できるソフトウェアが多いです。開発者やデザイナーなど、複数のOSや環境を同時に扱う必要があるプロフェッショナルにとって特に便利です。
🔗 Synergy(シナジー)の仕組み(一例)
Synergyのようなソフトウェアは、通常、以下のような仕組みで動作します。
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サーバーとクライアント: メインのキーボードとマウスが接続されているコンピューターを「サーバー」として設定します。操作を共有したい他のコンピューターを「クライアント」として設定します。
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ネットワーク通信: マウスカーソルが画面の端に到達すると、サーバーソフトウェアがその操作情報(キーボード入力やマウスの動き)をネットワークを通じてクライアントコンピューターに送信します。
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仮想的な入力: クライアントコンピューターは、受け取った情報をあたかもそのコンピューターに接続されたキーボードやマウスから入力されたかのように処理します。
このソフトウェアKVMの進化によって、デスク上の配線を減らし、複数のコンピューター間での作業効率を大幅に向上させることが可能になりました。複雑な設定なしに、複数のコンピューターをシームレスに操作したい方には、非常に有用なソリューションです。