Intelは2023年5月、新しいCPUアーキテクチャ「x86S」を提案しました。このアーキテクチャは、従来の16ビットおよび32ビットモードを廃止し、64ビットモード(Longモード)のみをサポートすることを目的としていました。
x86Sの主な特徴:
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レガシーモードの廃止: 16ビットのリアルモードやプロテクトモード、32ビットのプロテクトモードを削除し、CPUが直接64ビットモードで起動する設計となっていました。
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仮想86モードの削除: 仮想86モードやリング1、リング2といった機能も廃止される計画でした。
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命令セットの簡素化: INS、OUTS(ストリングI/O)やLMSW(リアルモードからプロテクトモードへの切り替え命令)などの削除が予定されていました。
しかし、2024年12月、Intelはこのx86Sアーキテクチャの開発を中止すると発表しました。この決定は、16ビットおよび32ビットアプリケーションとの互換性を維持する従来の方向性に戻るものであり、業界パートナーとの協議の結果とされています。
このように、x86Sは従来のレガシー機能を削除し、64ビット環境に特化したアーキテクチャとして注目を集めましたが、最終的には互換性維持の観点から開発が中止される結果となりました。