仮想マシンを使用していると、仮想ディスク(VDIファイル)の空き容量が不足することがあります。特にアプリケーションを追加でインストールしたり、大量のデータを保存した場合、ディスクサイズの拡張が必要になることがあります。
この記事では、VirtualBoxで使用しているVDIファイルの仮想ディスクサイズを大きくする方法について、具体的な手順を解説します。
注意事項
- 仮想ディスクサイズを拡張するには、VDIファイルが動的割り当て(Dynamically Allocated) である必要があります。固定サイズ(Fixed Size)の場合は拡張ができません。
- 仮想ディスクのサイズを変更した後で、仮想マシンのOS(WindowsやLinux)内でパーティションの拡張を行う必要があります。
- 操作を開始する前に、仮想マシンのバックアップを取っておくことをおすすめします。
手順 1: 仮想マシンをシャットダウンする
- 仮想マシンが起動中の場合は、すべての作業を保存し、仮想マシンをシャットダウンします。
- VirtualBoxの管理画面で、対象の仮想マシンが「Powered Off」の状態になっていることを確認してください。
手順 2: VDIファイルのサイズを変更する
以下の手順で仮想ディスクのサイズを拡張します。
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コマンドプロンプトまたはターミナルを開く
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仮想ディスクの拡張コマンドを実行
以下のコマンドを入力して、VDIファイルのサイズを変更します:-
例:
上記の例では、仮想ディスクを50GB(=51200MB)に拡張します。
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注意:
VBoxManage
コマンドは、VirtualBoxがインストールされているディレクトリ(例:C:\Program Files\Oracle\VirtualBox\
)で実行する必要があります。- VDIファイルのパスは、仮想ディスクファイルが保存されている場所を指定します。
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コマンドが成功すると、「Medium resized successfully」といったメッセージが表示されます。
手順 3: 仮想マシン内でパーティションを拡張する
仮想ディスク自体のサイズは拡張されましたが、仮想マシン内のOSがその追加領域を認識するためには、パーティションの拡張が必要です。
Windowsの場合
- 仮想マシンを起動し、OSにログインします。
- ディスク管理ツールを開く:
- 「Windowsキー + R」を押し、
diskmgmt.msc
と入力して「OK」をクリック。
- 「Windowsキー + R」を押し、
- 未割り当て領域を確認する:
- 仮想ディスクの末尾に未割り当て領域が表示されます。
- パーティションを拡張する:
- 拡張したいパーティションを右クリックして「ボリュームの拡張」を選択。
- ウィザードに従って拡張を完了します。
Linuxの場合
- 仮想マシンを起動し、OSにログインします。
fdisk
やgparted
を使用:
手順 4: 仮想マシンを再起動して確認
すべての手順を完了したら、仮想マシンを再起動して、ディスクサイズが正しく反映されているか確認してください。
よくある質問
Q1: サイズを縮小することはできますか?
残念ながら、VBoxManage
では仮想ディスクを縮小することはできません。ただし、仮想マシン内で不要なファイルを削除し、ディスクをクローンすることで間接的に縮小することは可能です。
Q2: 「パーティションの拡張」がうまくいかない場合は?
- 拡張する前に、ディスクの末尾に未割り当て領域が存在することを確認してください。
- 必要に応じて、
gparted
やその他のパーティションツールを使用してください。
まとめ
VirtualBoxで仮想ディスク(VDIファイル)のサイズを拡張するには、VBoxManage modifymedium
コマンドを使用し、その後仮想マシン内のOSでパーティションを拡張する必要があります。これらの手順を正しく行えば、仮想マシンの容量不足を解消し、さらに快適に仮想環境を利用できます。
バックアップを忘れずに行い、安全に操作してください!