はじめに
Dockerは、アプリケーションのコンテナ化を実現する強力なツールですが、Windows環境での利用にはいくつかの方法があります。Docker Desktopは最も一般的な選択肢ですが、それ以外の方法も存在します。本記事では、Docker Desktopを使わないでWindowsでDockerを利用する方法について解説します。
1. Docker Desktopの利点と限界
まずは、Docker Desktopの利点と限界について簡単におさらいしましょう。
Docker Desktopの利点
- 簡単なインストールと設定
- GUIでの管理が可能
- WSL 2との統合サポート
- 定期的なアップデートとサポート
Docker Desktopの限界
- リソース使用量が多い
- 一部の企業環境での使用が制限されている場合がある
- Docker Desktopのライセンス変更により、商用利用に制限がある場合がある
2. Docker CLI + WSL 2
Docker Desktopを使用しない場合でも、WSL 2を利用してDocker CLIを直接使用する方法があります。この方法では、DockerのデーモンをWSL 2上で実行し、WindowsのコマンドラインからDocker CLIを使用できます。
ステップ1: WSL 2のインストールと設定
- WSL 2の有効化
wsl --install
- Linuxディストリビューションのインストール
- Microsoft StoreからUbuntuなどの好きなLinuxディストリビューションをインストールします。
ステップ2: Docker CLIのインストール
- WSL 2上のLinuxディストリビューションを起動
- Dockerパッケージのインストール
sudo apt update
sudo apt install docker.io
- Dockerサービスの起動
sudo service docker start
ステップ3: Windows側からDocker CLIの使用
WindowsのPowerShellやコマンドプロンプトからWSL 2上のDockerを使用するには、次のようにします。
wsl docker run hello-world
この方法では、Docker Desktopを使用せずにDockerを実行できますが、若干の手動設定が必要です。
3. Rancher Desktop
Rancher Desktopは、Docker Desktopの代替として利用できるオープンソースのツールです。Rancher Desktopは、コンテナの管理やKubernetesクラスターのローカル実行をサポートしています。
Rancher Desktopの特徴
- Docker CLI互換
- K3s(軽量Kubernetes)の統合
- クロスプラットフォーム対応(Windows, macOS, Linux)
Rancher Desktopのインストール
これで、Docker Desktopを使用せずにDocker CLIを実行できる環境が整います。
まとめ
WindowsでDockerを利用するために必ずしもDocker Desktopが必要というわけではありません。Docker CLIをWSL 2上で直接使用したり、Rancher Desktopなどの代替ツールを使用する方法もあります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、使用環境や要件に応じて最適な方法を選択することが重要です。Docker Desktopを使わずにDockerを利用することで、より柔軟な環境設定やリソースの効率化が可能になるかもしれません。自分に合った方法を見つけて、Dockerの利便性を最大限に活用しましょう。