⚠️ はじめに:セキュリティアップデートの重要性
Webブラウザ「Google Chrome」において、深刻度の高い「高(High)」に分類されるセキュリティ上の脆弱性が発見され、Googleから緊急のアップデートが公開されました。
この脆弱性「CVE-2025-12036」は、Chromeの核となるコンポーネントに影響を与えるものです。インターネットを安全に利用し続けるために、ユーザーの皆様はすぐにブラウザのバージョンを確認し、アップデートを実施することが強く推奨されます。
🔍 CVE-2025-12036とは?
この脆弱性の詳細を解説します。
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脆弱性の名称(CVE番号): CVE-2025-12036
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深刻度: 高(High)
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影響を受けるコンポーネント: ChromeのV8 JavaScriptエンジン
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具体的な内容: V8における不適切な実装(Inappropriate implementation in V8)
V8エンジンとは?
V8は、Googleが開発したオープンソースのJavaScriptおよびWebAssemblyエンジンで、ChromeやChromiumベースのブラウザの動作を支える心臓部です。ウェブサイト上の複雑なスクリプトやアプリケーションを実行する役割を担っています。このV8に不備があると、悪意のあるウェブページを閲覧しただけで、攻撃者がユーザーのシステム上でリモートコード実行(RCE)などの深刻な操作を可能にする可能性があります。
発見者と背景
この脆弱性は、GoogleのAIを活用したセキュリティ研究イニシアティブ「Google Big Sleep」によって2025年10月15日に報告されました。LLM(大規模言語モデル)などの技術が、セキュリティの欠陥発見に活用されている最新事例としても注目されています。
💡 想定される被害と対応策
想定される被害
この脆弱性が悪用された場合、攻撃者は細工されたWebコンテンツを通じて、以下の様な深刻な被害を引き起こす可能性があります。
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リモートコード実行(RCE): 攻撃者がユーザーのPC上で任意のコードを実行し、システムを完全に制御する。
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機密情報の窃取: ブラウザ内のセッション情報や個人情報が抜き取られる。
🚀 ユーザーが取るべき最優先の対応策
Googleはすでに修正版を公開しています。被害を防ぐため、直ちにChromeを最新版にアップデートしてください。
1. 修正済みのバージョン
以下のバージョン以降に更新することで、この脆弱性は解消されます。
| OS | 修正済みバージョン |
| Windows | 141.0.7390.122 または .123 |
| Mac | 141.0.7390.122 または .123 |
| Linux | 141.0.7390.122 |
| Android | 141.0.7390.122 |
2. アップデート手順
ほとんどの場合、Chromeは自動的に更新されますが、以下の手順で手動での確認・適用が可能です。
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Chromeを開き、画面右上の「︙」(設定メニュー)をクリックします。
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「ヘルプ」 > 「Google Chromeについて」を選択します。
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Chromeが自動でアップデートの確認とダウンロードを開始します。
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ダウンロード完了後、「再起動」ボタンが表示されたらクリックし、ブラウザを再起動して更新を完了させてください。
🤝 まとめ
CVE-2025-12036は、ChromeのJavaScriptエンジンという核心部分の脆弱性であり、放置すると深刻なセキュリティリスクを招きます。お使いのChromeブラウザが最新版であることを確認し、安全なウェブブラウジング環境を維持しましょう。