プログラミングをしていると、データをファイルに保存したり、ネットワーク経由で送ったりする場面によく出くわします。しかし、プログラム内で扱っているオブジェクトは、そのままの形で保存したり転送したりすることはできません。
そこで必要になるのが「シリアライズ(Serialize)」という技術です。
シリアライズの役割
シリアライズとは、プログラム内のオブジェクトを、ファイルに保存したり、ネットワーク経由で送信したりできる形式に変換することです。
逆に、その変換されたデータを元のオブジェクトに戻すことを「デシリアライズ(Deserialize)」と呼びます。
このプロセスは、まるで物体を運ぶために箱に詰めたり、開梱したりする作業に似ています。プログラム内の複雑なデータ構造(オブジェクト)を、誰でも理解できる単純な形式(文字列やバイナリデータ)に「梱包」するのがシリアライズ、そして「開梱」して元の形に戻すのがデシリアライズです。
なぜシリアライズが必要なのか?
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データの一時的な保存: プログラムを終了してもデータを残しておきたい場合、シリアライズしてファイルに保存します。次にプログラムを起動したときに、そのファイルを読み込んでデシリアライズすれば、前回の状態を簡単に復元できます。
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ネットワーク通信: 異なるコンピュータ間でデータをやり取りする際、そのままのオブジェクト形式では通信できません。そこで、シリアライズして共通の形式(JSON、XMLなど)に変換し、送信します。受け取った側は、そのデータをデシリアライズして、自身のプログラムで扱えるオブジェクトに戻します。
シリアライズの一般的な形式
シリアライズには、様々なフォーマットが使われます。
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JSON(JavaScript Object Notation): 最も広く使われている形式の一つです。人間が読みやすく、ほとんどのプログラミング言語でサポートされています。Pythonの辞書やリストをJSON文字列に変換するのに適しています。
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XML(Extensible Markup Language): JSONより古くから使われている形式です。タグを使ってデータを階層的に表現しますが、JSONに比べて冗長になりがちです。
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pickle(Pythonの標準ライブラリ): Python独自のシリアライズ形式です。Pythonのあらゆるオブジェクト(クラスのインスタンス、関数など)をシリアライズできますが、Python以外では扱えません。また、セキュリティリスクがあるため、信頼できないデータには使わないのが原則です。
まとめ
シリアライズは、プログラム内のデータを「外部とやり取りできる形」に変換するプロセスです。
これにより、データの保存、ネットワーク通信、プロセス間通信などが可能になります。どのようなデータを、誰とやり取りするかによって、最適なシリアライズ形式を選びましょう。